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Googleで「核心人材」の烙印を押されたら、会社生活は楽になるのか

phoue

最終更新 1 min read --

先日、Googleのスター開発者ノーム・シャジール氏がOpenAIへ移籍したというニュースが出た際、私は「やはり市場価値の高い人はどこへでも飛び出していくものだな」程度に流していた。しかし、よくよく考えてみると一点、奇妙な点があった。

あれほど会社全体が揺らぐほどの人物が存在するということは、

裏を返せば、その会社の中に「この人だけは絶対に逃してはならない」と特定されたリストがすでに存在しているということではないか。

そのリストに誰が名を連ね、選ばれた後に会社がその人をどう扱うのかが急に気になった。選ばれればその時から楽に働ける場所なのか、それともかえって苦しくなる場所なのかが気になったのだ。

ちょうどPOSCO経営研究所(POSRI)がAppleとGoogleの関係者インタビューをもとに発行したイシューレポートを読んでいたところ、私が想像していたものとは全く異なる答えを発見した。

通常、韓国企業で「核心人材」や「ハイポテンシャル(High-Potential)」と言うと、優秀社員表彰を受けて海外研修に一度行く程度を真っ先に思い浮かべがちだ。

しかし、今回のレポートを見ると、AppleとGoogleのアプローチはその常識と出発点から異なる。両社は核心人材育成の重心を**「教育」から「実際の業務経験」へ完全に移している。**選抜も、育成も、脱落も、すべて実務を舞台に行われるのだ。

核心人材に選ばれるのは何人くらいか

Appleは全人数の0.8%、Googleは1%だけがこのリストに名を連ねる。数字だけ見れば大企業の役員昇進確率よりも低い水準だ。それだけ門戸自体が高く設計されているということだ。

Appleは過去3年連続の成果評価上位10%を基本条件に掲げている。

本社マネージャー級以上の全職務を対象とするが、海外リージョン組織は除外し、ハードウェア・ソフトウェア・AI・デザイン・運営・マーケティングのように本社の中核機能(Function)を中心に候補群を絞り込む。全従業員約18万6千人のうち1,500人前後、つまり0.8%水準に規模を制限して管理する。

それも、一度の輝かしい成果では話にならない。3年連続の記録を求めるのがポイントだ。たまに一年だけ頑張った人ではなく、着実に成果を出した人だけがリストの入り口に立てるという意味だ。

Googleは条件が少し異なる。

過去2年間の半期評価で4回中3回以上A評価を受けると同時に、異なるポジション2つ以上、BU(ビジネスユニット)2つ以上を経験したことを求める。一つの部署だけで優秀な人より、多様な環境を渡り歩きながら成果を再現した人を評価するということだ。全従業員約19万人中約2,000人、やはり1%前後である。

興味深いのは、この指定が会社の一方的な通告で始まらないという点だ。本人が参加の意思を表明して初めて扉が開き、その上で会社の期待とすり合わせる手続きが続く。

上司一人で決めない — Appleの多段階集団検証

ここで私が最も面白いと感じた箇所がある。

Appleは、この恐ろしい0.8%のリストを直属の上司一人の判断で決めない。

「Talent Planning Session」という名の検証手続きを四半期ごとに機能(Function)単位で2日間、年に12回行う。ここで言う機能とは事業部(BU)ではなく、Hardware Engineering、Software Engineering、AI/Machine Learning、Design、Operations、Marketingのように製品を横断する専門機能組織を指す。

AppleはiPhoneチームやMacチームのように製品別に組織を分けるのではなく、こうした機能組織が複数の製品を横断して協業する構造で回っており、核心人材の検証もこの機能組織単位で緻密に、そして定期的に行われる。

1日目には共に働いたマネージャー級・シニアマネージャー級が集まり、実務の観点から成果と協業能力を検証する。

2日目にはその上のシニアマネージャー以上のシニアリーダーたちが加わり、組織・事業の観点からリーダーシップと成長の可能性を再検証する。

段階が上がるほど参加者の範囲はむしろ狭くなるが、実行力は近くで見た人が、戦略的潜在力は遠くから見た人が、それぞれ異なる基準で判断するように設計されている。候補者本人はこの議論には参加できない。

これに加えて「Challenge–Defend」という構造を加える。

一般参加者は候補者のリスクや限界、追加で確認すべき部分をあえて積極的に指摘する役割(Challenge)を担い、候補者を実際に熟知している直属マネージャーとシニアマネージャーがその指摘に対し、成果と潜在力を具体的に防衛する役割(Defend)を担う。

なぜわざわざこのような手間のかかる構造を作ったのかと考えてみたが、答えは単純だった。一人の好評だけで核心人材が決定される瞬間、そのリストは実力者のリストではなく人脈の良い人のリストに変質する。検証段階ごとにあえて反対意見を盛り込むのは、組織が自らの偏愛を疑う習慣を制度として組み込んだことに等しい。

複数のリーダーが会議室に集まり、一人の候補者の成果資料を検討している様子
複数のリーダーが会議室に集まり、一人の候補者の成果資料を検討している様子

*Googleはなぜ他の部署のリーダーに承認を得させるのか

Googleのやり方はもう少し露骨に「身内びいき」という前提を敷いて始まる。

所属BUが推薦した候補者であっても、その部署とは無関係な他のBUのDirector級リーダー5名が参加し、リーダーとしての適格性を再検証するクロスバリデーション(Cross-validation)を経る。特定の直属上司や組織の主観的判断、いわゆるバイアスを最小化するための装置だ。他のBUリーダーの承認を求めるということは、「今の組織で優秀であること」と「他の組織に行っても優秀であること」を最初から別の問いとして扱っていることを意味する。

Googleがこの判断に使う基準は、一般的に「Googleyness」と呼ばれる5つの基準だ。

新しい状況で素早く学ぶLearning Agility、

環境変化に柔軟に対応するAdaptability、

他の組織と協業しながら影響力を発揮するCollaboration、

失敗の中でも成果を出し続けるResilience、

フィードバックを受け入れ、チーム中心に行動するHumility & Opennessだ。

5つのうちどれか一つを見ただけでは「今優秀である」という事実だけでは充足できない項目ばかりだ。

チームを異動した時も新しいことを学ぶ速度、見知らぬ人々とぶつかる方法、失敗した時に再び立ち上がるパターンまで一緒に見て初めて判断が可能な基準だからだ。今任されている仕事をうまくこなすことよりも、見知らぬ組織・見知らぬ職務でも同じように成果を再現できるか否かを、潜在力の核心と見ているという話だ。

成果と潜在力を別の引き出しに入れて個別に判断しているわけだが、私はこの区分が思ったよりも残酷だと感じた。今優秀であっても**「それは今のポジションだから上手くいったのではないか」という疑念を常に一緒に受ける**ということだからだ。

米国カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社Googleplexの建物外観
米国カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社Googleplexの建物外観

核心人材に選ばれてからが本当のスタートだ

ここまで読むと「では核心人材に選ばれたら楽になるのではないか」と思うかもしれないが、正確にはその逆だ。

Appleは核心人材に指定した人物に、会社が数年間解けなかった高難度の戦略的難題を丸ごと投げつける。教育用のケーススタディではなく実際の事業問題を、それも個人ではなくクロスファンクショナル(Cross-functional)チーム単位で背負わせる。約1年間この課題に専念できるよう、一部の現業業務を免除することさえある。短期的な成果よりも1年間の実行プロセス全体を観察対象にするという意味だ。課題遂行そのものが複雑な利害関係の調整、他組織との協業、戦略的判断、実行力を実際の業務状況で試す実戦検証の場というわけだ。

Googleも同じだ。既存の役割よりも明らかに困難な課題や、自身の専門分野を超えるクロスファンクショナルプロジェクト、それも教育用ではない実際の事業課題(Live Business Issue)を任せる。新しい利害関係者とぶつかり、見知らぬ領域で成果を作り出す経験そのものが、Learning AgilityとAdaptabilityを試す舞台になる。

両社とも「教育後の適用」ではなく「業務遂行そのものが育成」という方向へすでにシフトしていた。以前なら核心人材に選ばれた人にはリーダーシップ教育プログラムや外部研修を付与するのが報酬のすべてだったかもしれないが、現在はその場所に会社の実際の悩みの種を置いておく。褒美を与えるというよりは、試験用紙をもう一枚追加するようになったといえる。

評価書だけで5枚 — 核心人材はどれほど緻密に観察されているか

Google側の資料を見ていて目に留まった数字がある。

核心人材については、マネージャーと上位マネージャーが約2.5〜5枚分量の詳細な評価資料を作成するという点だ。一般社員の評価が通常1〜2段落で終わることを考えると、核心人材は成果・リーダーシップ・潜在力・開発必要事項まで数倍深く掘り下げられる対象となる。この評価は等級一つで終わらず、個人別の育成プログラムや今後の役割を設計するための基礎資料としてそのまま使われる。

能力開発も外部講師ではなく、組織内で専門性を認められたシニアリーダーが直接講師兼コーチとして付く。

戦略策定、説得と影響力、技術ロードマップ策定のように実際の業務にすぐに役立つ能力を中心に4〜12週間のプログラムを組み、VPとHRが個人の評価結果と弱点を分析して必要なプログラムを個別に推奨する。画一的な研修ではなく人によって異なる処方箋を出す方式だが、これも裏を返せば会社がそれだけ個々人の弱点を細かく把握しているということだ。誰かはこれを細やかなケアと呼ぶだろうが、私は精密な観察という表現の方が正確だと感じた。

外部から招いた有名講師の特訓で終わらせるのではなく、社内で既に検証された人が自分のノウハウをコーチングの形で継承する構造である点も注目に値する。講師自身がその組織の実際の課題を経験した人なので、プログラムの内容も理論ではなくその会社で実際に通用する方法である確率が高い。結果として核心人材は評価シート数枚で観察されると同時に、その評価シートを根拠に組まれた個人別カリキュラムまで提供されるというわけだ。

核心人材の傍らにはメンターが二人、経営陣まで付く

こうなるとプレッシャーは個人のものだけで終わるように思えるが、実際には会社も相当なリソースを投入する。

Appleは核心人材一人にガイディングメンターを二人付ける。そのうちメインメンターは直属の上司ではなく他部署のリーダーが務め、所属組織の視点に囚われないフィードバックを与える。メンター・直属リーダー・上位リーダーが共に育成計画を立て、組織戦略と連結させる。これに留まらず四半期ごとのLeadership Committeeを通じてCEO・CFO・Senior VPのような最高経営陣が戦略課題の進行状況を直接点検する。優れた課題は実際の事業プロジェクトとしてそのまま連結されることもあり、上位リーダー候補群に上がるほど経営陣の観察・検証強度も高まる。

Googleは継承計画(Succession Planning)そのものを育成プロセスとして使う。

VP以上のリーダーが下位レベル別に複数の後継者候補をあらかじめ指定しておき、単一候補ではなく複数名を同時に管理する。候補群はBU CEO候補群(Senior VP)→ Alphabet Leadership候補群 → Alphabet C-Level候補群の順で段階を踏んで昇進する。ここに構成員の組織文化・リーダーシップ認識を定期的に測定する社内アンケート「Google Geist」のスコアまで加え、長年のストレッチアサインメント(Stretch Assignment)の成果、上司評価、外部コーチングのフィードバックを総合してリーダーシップの軌跡を分析する。一人の成長をこれほどまで多くの人が、多様な角度から同時に見守るというのは、私には少し馴染みのないものに感じられた。関心というよりは監視に近い密度だ。

核心人材も毎年最大35%が脱落する

そしてこれが、このレポートで最も印象深かった部分だが、一度名を連ねたからといってその地位が維持されるわけではない。

Appleは毎年「Pool in/out」を実施し、期待に届かなければ原則としてリストから外す。ただし一時的な個人的事情のような合理的な理由があれば一定期間猶予する余地は残している。

Googleはもっと露骨だ。年間25〜35%水準のプール変動性を維持すると明かしているが、毎年候補群の4人に1人の割合でリストが変わるという意味だ。

Appleはまた、核心人材選定の有無を原則として本人にのみ個別通知して組織内の違和感を最小化し、追加の昇給やボーナスで差別的な報酬を与える一方で、離職の意思を明かした人材には報酬条件を再調整するカウンターオファーで引き留める。

Googleも同様に一般社員比で昇給率を8〜15%ポイント上乗せし、退職の意思を明かせば最大3回まで条件を調整して再交渉する。引き留める時は熱心に引き留めるが、成果が揺らげば容赦なくリストから外す冷徹さを併せ持っているわけだ。

「核心人材」というタイトルは、一度手に入れれば維持される身分証ではなく、毎回更新審査を通過しなければならない資格証に近い。両社が正確に指摘している部分もここだ。プールから外れることを失敗や烙印とだけ見なさず、役割・成果・成長段階に応じて再び入れる構造として開いておく点だ。昇進リストに一度載れば滅多なことでは降りない組織文化に慣れているなら、この一節が最も馴染みなく感じられるだろう。下の表で両社の構造を並べてみた。

それで、核心人材の烙印を押されたら楽になるのか

最初に抱いた質問に戻ると、答えは明確に**「いいえ」**だ。

選ばれた瞬間から多数のリーダーに繰り返し検証され、会社も解けなかった問題を背負わされ、経営陣が四半期ごとに進行状況を覗き込み、毎年再び試験台に上がる。

これは安定した特権というより、常時観察と再試験がセットで付いてくるポジションだ。

ただしその対価として受け取るものも明確だ。

報酬の昇給率、昇進ルート、経営陣との接点、会社が投げかけてくる問題の難易度とインパクトまで、すべてが圧縮された速度で上昇する。

AppleとGoogleが共通して証明してくれたことは一つだった。

優秀な人材を引き留める方法は楽にさせることではなく、絶えず難しい問題を与えながら、そのプロセスを多くの人が一緒に見守ってあげることだという事実だ。

これを自社や自分のチームにそのまま移植できるかは別の問題だ。

AppleとGoogleは人員規模が10万人単位なので、0.8〜1%だけ絞り込んでも1,500〜2,000人というかなり大きなプールになり、その中で複数のリーダーが分担して検証する余裕が生まれる。

規模が小さい組織なら、この構造をそのまま真似るよりも、2つの原則だけ取り入れるだけでも十分だろう。

一つは昇進や抜擢を上司一人の判断で終わらせないこと。

もう一つは核心人材として選んだからといって楽な席を与えるのではなく、むしろ会社がまだ解けなかった問題を優先的に任せてみることだ。その方がリストに誰を載せるか悩むことよりも、はるかに正直な検証になるはずだからだ。

このレポートをすべて読み終えて感じたことは一つだ。

「核心人材」という言葉を聞いた瞬間に会社が自分を楽にしてくれるだろうという期待は捨てるべきだ。

むしろその瞬間から観察の密度が数倍に上がると思う方が現実に近い。ただ、その観察が個人の顔色や偏愛ではなく、複数のリーダーが分担して責任を負う構造で組まれているなら話は少し変わってくる。

その観察を監視と見るか投資と見るかは、結局この地点で分かれる。

そしてその投資を受ける資格は、選ばれた瞬間ではなく毎年再び証明しなければ維持されないという事実も、心に留めておく価値がある。

結局このポジションは常時試験台に近かった。楽になれる瞬間などなかったのだ。それがこのレポートが教えてくれた答えだった。

参考文献
  1. https://www.ytn.co.kr/_ln/0104_202606251228195773
  2. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Aerial_view_of_Apple_Park_dllu.jpg
  3. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Googleplex_HQ_(cropped).jpg
  4. Googleグローバルポリシーディレクター、『真心』の力で『革新』の障壁を打ち破る
#apple-talent-management#google-high-potential#talent-planning-session#googleyness#succession-planning#stretch-assignment#cross-functional-project#employee-development#leadership-pipeline#corporate-culture

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